あの時救われた場所で今度は自分が救う側に|カプセルイン大塚 店長 小宮山宗洋氏

お客さんから社員へと転身した小宮山さんと移川さん。 大塚人インタビュー

大塚駅北口を出ると必ずと言って良いほど目に入る「カプセルイン大塚」の文字。

大塚駅前のシンボルと言っても差し支えないほどの存在感を放っているこの施設は、サウナ利用もできるカプセルホテルです。

昨今のサウナブームによって、東京都内をはじめ全国各地に様々な形態のサウナが誕生しています。

『カプセルイン大塚』が誕生したのは約30年前の1995年。

ブームになる前から多くの人々の憩いの場となり、同時に変わりゆく大塚の街も見守ってきました。

そんな大塚の魅力を語るにあたって外すことのできない『カプセルイン大塚』の店長である小宮山宗洋さんにお話を伺いました。

※GOtsuka編集部が過去に訪れた際の記事はこちら↓

利用客から社員、そして店長へ転身

これまでの経歴を語る。

カプセルイン大塚は1995年に現在のオーナーのお父さんが創業されました。

もう30年が経ちましたね。

私自身は、出身は新潟で、20数年前に新潟からの高速バスが停まるからという単純な理由で池袋に上京してきました(笑)。

当時は就職氷河期真っ只中でまずは仕事を探すことから始めました。

そこから下板橋の建築関係の会社に就職し、下板橋に住みながら仕事をして、途中で東池袋の建築会社の方にご縁があって東池袋に引っ越してきました。

その建築会社で13年ほど働き、トータルすると建築業界で20年以上働きましたね。

東池袋の会社に勤めていた最後の2、3年はカプセルイン大塚にも通いながら仕事に行っていました。

仕事で疲れたり、大変なことがあったり、悩んでいたりするときによく足を運んでいました。

そして、今から3年ほど前の2023年のタイミングで、私自身これからどうしようかと悩んでいた時に、ここも人が辞めて困っていた時期と重なり、
「じゃあ俺が手伝ってみるか」
とここに転職してきたという形です。

当時はコロナ禍を経て、経営的にも人手的にも厳しい時期もありましたが、今は元いた社員と私のように客から社員になった人も含めて、ミニマムな人数ではありますけど、うまく回るようになってきました。

安心安全なシステムと大塚を見下ろす眺望が売り

四階にある受付の様子。

カプセルイン大塚の特徴の一つに、カプセルホテルとして利用するにあたっての安心安全なシステムがあります。

エレベーターが1階から4階(受付)までのものと、4階から5階以上へと上がるものがそれぞれ一基ずつしかなく、入るのも出るのも必ず受付を経由することになります。

そして、4階で履物を靴箱に入れてもらい、受付の際にはその靴箱の鍵とお部屋の鍵、ロッカーの鍵を交換するというシステムをとっています。

なので、外出されるお客様には必ず受付に寄って、鍵を交換した後に、外出証というものをお渡ししてから外出してもらうことになります。

一見面倒なこのシステムのおかげで、鍵を外に持ち出すことがなくなり、鍵はもちろん物をなくすということがほとんどないことに繋がっています。

そして、うちはカプセルホテルの中では、かなり珍しいと思うのですが、海外の旅行会社さんと契約していて、海外からのお客さんがかなり多いです。

初見の方からすると複雑で少し面倒に感じるようなシステムではありますが、その分安心安全が担保されているので、それを気に入って何度も利用してくださる海外のお客さんもいますね。

休憩室から見える眺望。
休憩室からは大塚駅前北口広場、山手線、その奥に広がる南大塚の様子まで拝むことができる

あとは、やはり大塚駅から1分とかからない立地の良さと休憩室からの展望もうちの売りです。

サウナに入った後は、ここでゆっくりと時間の流れを感じながらボーッと過ごしてもらいたいです。

コロナ禍でのサウナ運営とクラウドファンディング

当時は私は客として利用していた側でしたが、やはりコロナ禍は経営もしんどかったようですね。

サウナとして営業できない時期が続いたり、営業できても一度に入れる人数の制限がかかって思うように人が来なかったり、そして働く人もどんどん辞めてしまったりと良くない流れが続いていたみたいです。

そこから心機一転、悪い流れを断ち切るためにって想いでオーナーがサウナストーブをリニューアルしようとしたんだと思います。

それが蓋を開けてみたら、扉を壊さないと入らないってどういうことだって笑いましたよ(笑)。

当時行われたクラウドファンディングの記事↓
http://www.capsule-in-otsuka.co.jp/?p=130

その費用が必要になったということでクラウドファンディングを実施することになりましたね。私自身も当時は客として微力ながら協力しました。

当時は今と比べて2、3割くらいサウナの店舗も少なかったこともあり、SNSでも少し盛り上がっていた記憶があります。

2021年に新たに導入されたMETOS社のサウナストーブ。
2021年に導入されたMETOS社のikiストーブ
リニューアル後のサウナ室。
クラウドファンディングの協力もありながら全面リニューアルしたサウナ室
リニューアル後のサウナ室。
今も多くの人を癒しています

救われた側から提供する側へ

大変なことよりもやりがいを感じる。

現在の仕事内容としては、お客さんとのやり取りや従業員の管理、海外も含めた旅行会社さんとのやり取りといったものになります。

前職の建築会社でも後半は現場からは離れて管理の仕事をやっていたので、内容としてもそこまで大きくは変わっていないですね。

何より前職に比べて安全で怪我することがなくてありがたいです(笑)。

大塚という街はユニークな人が多くて、お客様一人ひとりとのやり取りが楽しいです。

今年で45歳になりますが、この仕事を通じて自分の内面もどんどん変わってきたと感じることが多いです。

もちろん、仕事をしていてとても忙しくて大変な時はありますけど、過去に自分自身が悩んだりしている時にここに来て救われた部分もあるので、今度はそういった居場所を提供する側になったということを考えると、そこにやりがいを感じますし、大変さもあまり感じなくなりますね。

外気浴スペースからの眺望。

↑↓浴場がある8階に設けられた外気浴スペース。大塚駅前の様子が一望できる。

外気浴スペースからの眺望。

大塚を楽しむ人々の中継地点に

今後の展望を話す。

半年ほど前から、サウナでアウフグースイベント(熱波団扇やタオルなどを使って熱風を発生させる)を開催するようになりました。

やはりそういったイベントを開催すると新規のお客さんも足を運んでくれるようになるので、今後も継続して行っていきたいですね。

また、 Xを始めとしたSNSなども試行錯誤しながらどんどん発信していって少しでも興味を持ってもらえるように頑張っています。

一度来てもらったら常連として何度も足を運びたくなる、そんな施設にしていきたいです。

大塚で降りたら、一旦何も考えずにふらっとここに来てもらって、サウナに入りながら、そして休憩室からの景色を見ながら次の予定を考える。

大塚には美味しいご飯屋さんもたくさんありますし、そういった中継地点のような役割も果たせたら嬉しいですね。

そしてまた大塚にまた来たいなと思ってもらえたら最高です。

大塚を一言で表すなら?

小宮山さんと同じくお客さんから社員へと転身した移川さんと一緒に。
右:小宮山さんと同じく利用客から社員となった移川さん。前職時代はかなり頻繁に利用されていたそうです。

大塚は「来てみてわかる街」ですね。

池袋が隣にありますし、正直なかなか用事がないと降りない街ではあると思います。

でも実際に降りてみるとうちみたいなサウナがあったり、飲食店も個性的で美味しいお店もたくさんあったりします。

そういった大塚の魅力や利便性っていうのは来てみて初めてわかる部分だと思います。

なので、『カプセルイン大塚』が一人でも多くの方が大塚に来るきっかけになれるようにこれからも頑張っていきたいです。

店名カプセルイン大塚
住所東京都豊島区北大塚2丁目15-10 ジュンエイビル
営業時間24時間営業(浴室清掃の為2:30〜3:30は除く)
定休日なし
リンク公式HP / X
タカザワ

GOtsukaを運営する㈱アナザーパスインターン/ライター。大阪出身、上京5年目の大学院生。大塚グルメでカロリーを蓄え、日々のランニングで燃焼するまでが一連のマイブーム。