2026年1月中旬に、大塚駅北口から歩いて1分ほどの場所にオープンした、いなり専門店の『ここいなり』。
こだわりの詰まったお米、赤酢、お揚げさんから成るいなり寿司ですが、なんといっても6種類もの味が楽しめるという特徴があります。
今回は、そんないなり専門店 『ここいなり』のオーナーであり、大塚で生まれ育った生粋の大塚人とも言える大関真悟さんにお話を伺いました。
自身でいなり寿司を作ろうと思ったきっかけから、いなり屋に留まらないその活動、そして複数の事業を手がけるにあたって大切にしている考え方など、個性全開の興味深い話を伺うことができました。

複数の事業を手がける生粋の大塚人

僕は東池袋5丁目に実家があり、ここ大塚で生まれ育ちました。
地元の西巣鴨中学校を卒業した後に、高校へは行かずに鳶の道に入って働くことになりました。
そこから10年ほど経った26歳の時に、紆余曲折を経て不動産業界へと転職しました。
それまでは不動産の仕事というのはもちろん未経験だったのですが、その仕事が楽しくなりどんどんのめり込んでいき、自分でも会社をやってみたいと思い、自身で日本クリード(現:Athletic株式会社)という不動産会社を立ち上げました。
立ち上げから15年が経ち、取り扱い高が200億円ほどと会社が成熟したタイミングで会社をバイアウトし、会社からは抜けることになりました。
その後は、セカンドライフとしてやりたいと思った事業にどんどん取り組んでいる状態です。
『ここいなり』の他にもバク転教室運営者やパーソナルトレーナー、解体屋の役員といった肩書を持っていたり、浅草に両替所を持っていたりもします。
『ここいなり』も元々バク転教室だったスペースの一部を仕切って改装し、専用のスペースを作ったんです。
ここのバク転教室は、「1時間でバク転ができるようになる」と少し話題になって、芸能人やYouTuberの方々も来ますね。
ライブのステージでやりたいというアイドルもいるので、その時には付きっきりで帯同して指導もしています。

いなり屋立ち上げのきっかけは筋トレ

『ここいなり』を立ち上げるきっかけとしては、僕自身がトレーニングやパーソナルトレーナーをやっているというのが出発点ですね。
筋トレを通して体づくりをするにあたって炭水化物は必須です。
それをトレーニングの前に摂ろうとした時に、おにぎりだと少し大きいんです。
それでいなり寿司を食べてみると、これがちょうど良くて。
油揚げは脱脂していて低脂質で、さらに酢でコーティングもされていることもあって、GI値(食後の血糖値の上昇度を示す指標)が低く、血糖値が緩やかに上がってくれます。
これがとにかく筋トレに最適だと。
ですが、外で売っているいなり寿司の中で、なかなか好みの味のものがありませんでした。
「なら自分で作っちゃおう」ということでいなり寿司作りを始めました。
本格的にトレーニングをしている人は、食事制限などで限られたものを食べる生活をするので、咀嚼が多いんです。
そこで、噛めば噛むほど味が出るようにしたり、味の種類も6種類のものを揃えたりという工夫を凝らして開発しました。
開発にあたっては、代表の下田と一緒に工場に要望を出しながら、味にこだわって進めてきました。
店名の『ここいなり』については、「江戸の粋ないなりがここにあり」や「美味しいいなりがここにあるよ」といったシンプルな想いからつけました。
最初は、駅ナカのポップアップストアのような場所に出店するところから始めました。
ただ、やはりそれだと期間限定になってしまってファンの方が買いたい時に買えないということで、常設の店舗を出そうという流れになりました。

常に目の前の仕事に徹するプロであり続ける

今は、バク転教室、パーソナルトレーナー、解体屋、両替所をやりながら、『ふわっち』というアプリで配信者としても活動しています。
収入面を考えると、僕が店頭に立っていなり寿司を売る必要はありません。
それでも頻繁に店頭に立つのは、お客さんとの1対1のコミュニケーションが楽しいからに尽きます。
あとはそれが配信のネタなんかにもなって、こんなにバリバリ働きながら配信してる人なんていないから、物珍しさで見てくれたりするんですよ。
数年前までは不動産業、今も複数の事業をやっていますけど、常にそれぞれの事業に徹するプロでありたいと思っています。
『ここいなり』にいる時はもちろんいちいなり屋として、バク転教室はいちトレーナーとして、解体屋や両替所でもそれぞれの仕事に徹するプロとしての意識を大切にしています。
綺麗になった北口と情緒あふれる南口

昔は大塚駅の出口が北口と南口で完全に異なっていて、行き来も大変でした。
そうやって分断されていた状況だったのが、駅前が整備されて、通路が開けて簡単に行き来できるようになりましたね。
そして、大塚駅前の北口の方は本当に変わりました。
それまで、南口よりも北口の方が寂れていた感すらあったのが、星野リゾートが大塚にやってきてから、のれん街ができて流れが変わり、北口があそこまで綺麗になりましたよね。
その結果、北口はとても綺麗で整然とした街になり、南口は昔の情緒の良さが残ったという形になったと思います。
僕のお気に入りのお店は、北大塚にある『89』というタイ料理屋です。
料理はすごく美味しいし、居心地が良いんですよね。
いつも僕ら以外には日本人のお客さんはあまりいないけど、それも気楽で良いですね。
コンパクトでインパクトないなり屋を全国へ

今後の計画として、まずは店舗数をどんどん増やしていきたいです。
兵庫県の芦屋や仙台など、関西や東北から全国へどんどん展開していきたいと思っています。
ここに関してはスピード感がすごく大事だと思っているので、今期に10店舗、その次には30店舗というようにとにかくスピーディーに展開していこうと考えています。
最近、名古屋にも店舗を出したのですが、そこは2坪しかない店舗でここと同じようにいなり寿司を売っています。それでもここ大塚店と遜色ない売り上げを上げています。
このように、いかに「コンパクト」で「インパクト」のあるものを売れるか、というのが僕らの大切にしていることでもあります。
こういったビジネスモデルが定着してきたら、都内でもさまざまな場所を借りてチャレンジしてみたいです。
大塚を一言で表すなら?

「インパクトでコンパクトな街」ですかね。
これは自分自身が何事においても大切にしていることでもあるし、この街もコンパクトながらインパクトがある人やお店、施設が集まっていると思います。
今回、こうして飲食店をやるにあたって、商工会や商店街の連盟に入ることになりましたが、昔から地元でふざけていたこともあって(笑)、皆さんが僕のことを知ってくれていてすごくウェルカムで優しく迎え入れてくれています。
そんな温かさもある街です。
これからもそんな街でインパクトでコンパクトないなり屋を続けていきたいです。

