ひとり親が安心して住める街づくりを|豊島区議会議員・川瀬さなえさん

「温故知新」と共に。 大塚人インタビュー

池袋、巣鴨、目白、雑司が谷、そして大塚。

そんな地域を筆頭に、個性あふれる場所が揃う豊島区を支える、そしてより良くしていく。

それが豊島区議会議員に課せられた使命です。

今回は、そのように区民の生活をより良くしようと奔走する豊島区議会議員・川瀬さなえさんにお話を伺いました。

豊島区議会議員になられたきっかけやどのような想いで活動をされているか、そして大塚という街の印象やお気に入りの場所まで、たくさんのお話を伺うことができました。

専業主婦から寝る間も惜しんで働く日々に

議員になるまでの波瀾万丈な経歴を語る。

12年ほど前までは専業主婦として二人の娘を育てていました。

しかし、元夫のハラスメント等があり、離婚を決意しました。

するとそれまで住んでいた家からも追われ、二人の娘を連れて来月住む場所もないような状況になってしまいました。

お先真っ暗のような状態で泣きながら区役所に足を運び、離婚に係る様々な事情やこれからの生活について相談しました。

そこで、母子生活支援施設を紹介してもらい、そこから施設での2人の娘との生活が始まりました。

なんとか住むところが決まったは良いものの、次は仕事を探さなくてはなりませんでした。

2人の娘を1人で育てていかなくてはならないので。

そうして仕事を探し、非正規雇用でダブルワークをして働いていました。

週6日間、寝る間もありませんでしたね。

そこでは、女性特有の賃金の安さであったり、子どもを持つ母親としてどうしても休まなくてはいけない時に休めなかったりなど、働く女性が直面する数々の問題がありました。

それでもなんとか歯を食いしばりながら働き、生活していました。

その時やっていた仕事は外壁塗装でヘルメットを被りながらの仕事と医療事務の掛け持ちでした。

仕事内容を考えた時に、年齢を重ねていくと体力的にも厳しくなり、この先ずっと続けていける仕事ではないと思い、転職活動を開始しました。

偶然と選択で足を踏み入れた政治の世界

議員になったきっかけを語る。

転職活動を始めたタイミングで、偶然国会議員の私設秘書の求人が出ていたんです。

その時には、政治に携わりたいという想いがあったわけではなく、面接だけでも行って、そこが実際にどんな世界なのかというのを見てみたいなという、本当に興味本位で応募しました。

そうしたら運よく面接をクリアして採用してもらう運びに。

そうして国会議員の秘書となって活動していく中で、国会で実際に法律が作られていく様子を目の当たりにします。

すると、思ったよりも政治は身近なところで行われていることなんだと感じることができました。

そこでの経験が私が政治の世界を知ることになったきっかけになりましたね。

その後は、娘もどんどん成長して本格的に教育費などもかかるようになってきたこともあり、より待遇が良いとされる公設秘書になれるよう他の事務所への移籍も模索していました。

そうしたら、これまたタイミング良く他の先生の事務所から公設第二秘書として引き抜いていただいたんです。

移籍先の国会議員が期数を重ねた年配の先生ということもあり、ご自身の政治活動の傍らで、これからの若い世代を育てる活動にも尽力されている方でした。

秘書活動の中で、私自身が離婚を経て母子家庭として生活していく中で感じてきた社会への違和感やもっとこうあるべきだ、といった話を先生とよくさせていただいていました。

すると先生が、「そういう当事者の経験があるからこそのその声をちゃんと届けるべきだ」と仰るんです。

さらに「1年後に統一地方選挙があるからそこに出なさい」と背中を押してくださり、2019年に豊島区議会議員選挙に出馬し、無事に当選し豊島区議会議員となることができました。

根幹にあるのはシングルマザーとしての当事者意識

自身の経験を思い出しながら。

2019年に初当選を果たし、現在で二期目になります。

やはり私の政治活動の根幹にあるのが、女性として、母親としての当事者意識です。

議員になってからも、地域の子ども支援や女性支援をしているNPOの活動を見ていても、私が経験した問題や困り事は決して私だけではなく、多くの女性が直面していることを改めて実感しました。

経済的にも精神的にも苦しい状況にある女性は、なかなか大きな声を上げることが出来ず、どうしても必要な支援が届きにくくなってしまっているんです。

そこを私が代表して声を上げていくべきだと自覚を持っているし、実際にそこに新たな予算がつくという経験もしました。

自分がボロボロになったとしても声を上げ続けていくことが私の使命だと思って活動しています。

子ども食堂によく足を運ぶのですが、そこでは様々な事情を抱えたシングルマザーの方もいて、そこでは議員というよりも一人のママ友としてよく話を聴いたり、相談してくれたりするんです。

そのような活動や話を聞くことを通して、子ども食堂は子どもがお腹いっぱいに食べることができ、家計も助かるという非常に意義のある活動ではあるものの、あくまで一過性の側面があると感じていました。

そこで、さらに根本の部分であるひとり親の経済的な自立や安定を支援したいという考えを持つようになりました。

そして、昨年に私と同じような想いを持つ複数の人と一緒に、シングルマザーの支援に重きを置いたNPO法人を立ち上げました。

そこでは、シングルマザーの方達のメンタルケアや、少しでも収入が上がるような就労のサポートといった支援を通して、結果的に子どもの幸せにも繋がってほしいという想いで活動をしています。

母親として、そして議員として

やりがいを感じる瞬間を思い出しながら。

まずは、シングルマザーとしての経験が活きた時にやりがいを感じますね。

様々な悩みを持った女性からの話を聴く機会が多いのですが、そういった方たちが同じような境遇を経験した私に相談してくれるんです。

私が話を聴くことで、

「心が楽になった」「安心した」

と言ってくれる方がいて、それだけでも私はすごくやりがいを感じます。

もちろん、ただ話を聴くだけではいけません。

そういった話の中から、区の施策として予算をつけたり、新たな事業として取り組むべきだと感じたことを議会の中で提案・提言をしていったりしていく。

これが区議会議員の仕事です。

これまでにも、そこから実際に予算がついて事業が始まるという経験を何度かしてきましたが、それが実現できた時にはやはり大きなやりがいを感じますし、声を上げて良かったなと思います。

現在、豊島区議会では4割が女性議員です。女性の視点、当事者の声が届きやすい議会であると感じています。

一方で難しいと感じることも。

一方で、議員活動の中で難しさを感じる瞬間ももちろんたくさんあります。

当然ですが、一人で何でも決められる立場にあるわけではありません。

様々な関係者や議員の皆さんと協議や議論を重ねる中で、私たちの提案が通らないこともよくあります。

自分の力不足を痛感することもありますが、その中でも自分の使命を全うしていきたいですね。

大塚という街、そしてお気に入りの場所

大塚の好きなところを語る。

大塚の印象としては、かつては木がたくさん立っていて暗いイメージが先行していましたね。

それが再開発を経て、駅前を中心にすごく開けて明るくなった印象があります。

ただ、今後も再開発が進んでいくと思いますが、それによって綺麗だけどありきたりな街にはなって欲しくないという想いもあります。

やはり、大塚独特の風情や個性は残したままでいて欲しいという気持ちがあります。

お気に入りの場所は、大塚駅北口のironowa hiro baにある座ることができる円形のモニュメントです。

あそこが好きでよく座っています。

議員らしくないですよね。(笑)

お気に入りのironowa広場のベンチ。
川瀬さんお気に入りの場所。ironowa広場の座れるモニュメント

好きな飲食店といえば、南大塚にある『沖縄バルCrazyTaco&π』さんです。

あそこのタコスが大好きで、そこの奥さんとも顔馴染みということもあってよくテイクアウトしていただいています。

あとは、大塚駅北口にある『ふくの鳥』さんという居酒屋ですね。

私はお酒が全然飲めないので、飲みに行くわけではないんですが、あそこのピザが美味しくて。それを晩御飯に食べに行ったりしています。

ひとり親が安心して住める街を作ることで豊島区全体が良くなっていく

今後の展望を語る。

これまで、ひとり親の支援や子どもの貧困問題の解決といったところを主軸政策の一つとして掲げて取り組んできました。

その部分を改善していくことが出来れば、豊島区はひとり親でもより安心して住める街になっていくと思います。

女性が安心して住める街というのは、みんなが安心して住める街とイコールではないかと思っています。

なので、まずはひとり親でも安心して生活できる街にすること、それが豊島区全体がより良くなっていくことに繋がると信じて、今後も主軸となる政策を掲げ、支援を続けていきたいと考えています。

大塚を一言で表すなら?

川瀬さんにとって大津は、「温故知新」。

大塚は『温故知新』の街だと思います。

私はずっと大塚に住んでいたわけではないので、大塚の方々にとっては新参者です。

それでも、北大塚の折戸協和町会を始めとする街の方々は、すごく優しく接してくれて、これまでの大塚の歴史などをたくさん教えてくれるんです。

最初は一歩踏み出すのに勇気が必要な部分もありましたが、いざ一歩踏み出してみると、すごく温かく迎えてくださりました。

これまでの歴史や伝統をすごく大切にしながらも、新たに入ってくる人や文化を決して拒むことなく受け入れてくれる。

ここ大塚はそんな素敵な街です。

タカザワ

GOtsukaを運営する㈱アナザーパスインターン/ライター。大阪出身、上京5年目の大学院生。大塚グルメでカロリーを蓄え、日々のランニングで燃焼するまでが一連のマイブーム。